元宮磨崖仏(豊後高田市)

豊後高田市南部の県道655号線沿いにある元宮磨崖仏は室町時代の磨崖仏で、近隣の熊野磨崖仏、鍋山磨崖仏とともに「熊野磨崖仏附元宮磨崖仏及び鍋山磨崖仏」として1955年に国の史跡に指定されています。田染六郷の総社であった八幡神社の北側の凝灰岩層の岩壁に6体の立体が半肉彫りにされています。

田染八幡神社の北側の岩壁に抉られた龕に、不動明王を中心として右に矜羯羅童子・毘沙門天・左に持国天・地蔵菩薩の5体の像が東面して薄肉彫りで刻まれており、不動明王の左側にはかって不動明王の眷属である制吒迦童子があったと言われるが現存しておらず、地蔵菩薩は他の像に比べて小さく、後世に付け加えられたものであるとされています。風化を防ぐ為に2001年には磨崖仏を覆う高さ3m・幅6mの龕が設置されました。



元宮磨崖仏の雰囲気。



元宮磨崖仏。左から地蔵菩薩・持国天・制多迦童子・不動明王・矜羯羅童子・毘沙門天。



不動明王。



持国天。



毘沙門天。



元宮磨崖仏の雰囲気。



隅の方には弘法大師石像があります。